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2010年6月27日 (日)

第11章 陽だまりの中-1/2 (2007.2.20記事)

日本での個展が近づいてきて、ボクは追い込みで絵の制作に熱中している。
オゴゼは、相手になってやらなくても、退屈した様子もなく日長一日自分のペー スで過ごしている。
夜になると、ボクの作業机の一角にねそべる。
そこは絵の具、えんぴつ、灰皿等が乱雑にころがっていて居心地はよくないはずなのに気に入っているようだ。
うたた寝をしながら、ときには薄目でボクの絵を眺めている。
また、背中を向けてドテっと寝込んでいるときもある。
作品製作の合間合間に、そんなオゴゼのズボラな姿勢をスケッチした。
それが、随分たまった。
「いつか、これらのスケッチをもとに『猫展』をやろう。」
ウッシッシと悪巧みをおもいついたときのようなくすぐったい気分である。

飼い主の話では、オゴゼは慣れてくると布団の中にもぐりこんで来て寝るという ことであったが、いまだ1度もない。
ボクは寝相が悪く鼾をかくそうだが、理由はどうやらそれではなさそうだ。
ボクがソファーでうたた寝したり、本を読んだりしていると腹の上に乗ってきて遊ぶ。
彼女には猫なりの倫理があるようだ。
ボケーとボクを見ているようで、実はしっかり眺めているのだろう。
そして自分の世界ももっているのであろう。だから、ボクが絵を描いているときは邪魔をしないし、手紙を書いたり本を読んだりしているときは「ちょっと、遊んでやろうか。」という態度で寄って来る。
よく考えてみるとボクより猫であるオゴゼのほうが倫理観を持ち自己管理して生きているようなきがする。
しかし、ときどき性癖というかエチケットの違いから、ぶつかることがある。
今日はボクに怒られたのだが、もう以前みたいに拗ねることもなく横で寝そべっている。

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