ボクの見た『夢』-2/2 (2006.8.26記事)
そこへ着物を着た猫がでてきた。
ボクを畳の上に正座させ、説教を始めた。
『アンタなんばしよっとね? ご飯食べる前に、手ば洗わんといかと。ズボンにゴシゴシ擦って、ハエんごとあるとよ。』(ハエのようだ。)
一部始終みていたのであろう。
『よそにーご馳走によばれたときは、行儀ようせんばいかんと。 ガツガツ食ったり、貝殻ば床にふつるもん(捨てるひと)が、どこにおると。』
田舎には、よくいた恐いおばさんのような気がしたし、お袋のような気がしたが、なぜかしら着物を着た猫なのである。
なぜかしらボクはイガグリ頭の小学生で、井戸の底に座らされているようにちっこいのである。
説教は長く、ガンガンガンと響くのである。しかし、また、そんな自分が、
『アイツ、また怒られてとる。 あれっ!猫に怒られとっとや。』
と、見えるのである。
『しっちょルカ(知っているか)、猫は言葉ばしゃべると。夜中、路地裏で井戸端会議ばやるっていうじゃろうもん。』
友達が、いつか自慢して話していたのを思い出した。
(ウワぁー、こりゃあ、すごい!)
怒られているのがボクで、それを見ているのがボクでシッチャカメッチャカに混乱した中で、興奮して目が覚めた。
『何だ? 夢だったか。』
なぜか、心がモガモガとくすぐったくて愉快なのである。
(猫も、言葉をしゃべる?)信じてもいいのじゃないか。
オゴゼは、単に猫語で感情や欲求を伝えているだけかと思っていたが、案外
自らの意見と倫理観をもっていて、本当は真面目な対話もできるんじゃないかと考えてみた。
そんな風にオゴゼを眺めてみると、友人みたいな親近感がわいて来た。
ボクの見た『夢』 ―2/2
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